蕨市スポーツ少年団 山本正克です。
今年度 最後(11/23~27)の復興支援ボランティア活動に参加して参りました。
2011.3.11 突然起きた千年に一度ともいわれる東日本大震災から、もうすぐ 9ヶ月が経とうとしています。
今回は、SONY支部根本さんからお誘いの熱いメールをいただき、急きょ拠点入りを決めました。
埼玉入間道院 畠山先生、拠点を守る畠山先生お兄さんご夫婦、本山 少林寺拳法連盟 総裁をはじめとする本部先生方のご尽力により、安心してボランティア活動を
させていただけることに感謝しています。
私は、震災から三ヶ月になる少し前からボランティア活動をはじめ、今回で5回目、陸前高田での活動期間がちょうど30日になりました。
12月~来年3月まで拠点が閉鎖となりますが、引き続きボランティア活動をしていく所存です。
今後ともご指導の程、よろしくお願いいたします。
【11/23】
PM4:00 三軒茶屋道院 斉藤さんと二人で、拠点を目指しました。
斉藤さんとは、夏に富山の整体師の先生とお越しになられた時に初めて拠点でお会いしました。
まったくの偶然ですが、お互いの子供が 同じ中学校の同級生・同じクラス!!という関係を知り、ボランティア活動以外でも頻繁にお会いするようになりました。
【11/24】
早朝拠点の物置の補修工事を終え、ボランティアセンターへ。
センターでは、いつも大変お世話になっている 岩手東山道院 伊藤先生と合流し、3人で広田地区の枯木の伐採を行いました。
当日は風が強く、少人数での活動の上、伐採する木が太いこともあって、作業が思うようにはかどりませんでした。
しかし、伊藤先生、斉藤さんの懸命な体を張ってのチェンソーと格闘する姿は、すばらしいものでした。
私はチェンソー初体験で、危険のないように倒木の解体と丸太運びに従事しました。
活動終了後、斉藤さんは急いで埼玉に戻られました。
なんでも同士が特昇をひかえているため、夜から練習に参加されるとのこと。
このようなハードなスケジュールをこなされる姿は、私には到底真似はできません。
伊藤先生も稽古日のため、急いで一関に戻られ、夜には再び拠点へ戻ってきて下さいました。
お二人のアクティブな姿に、ただただ圧倒される日々です。
【11/25】
起床すると伊藤先生が、ご親切に凝り固まった私の体を整体をしてくださいました。
先生の整体は、「お手当て」というように温かく、心の芯まで癒されたことを覚えています。
私も先生に教わりながら、心を込めて整体をさせていただきました。
本日は、畠山先生、伊藤先生、山本の三人でボランティアセンターに向かう予定でした。
しかし、急きょ三重県から三重多気道院の乾先生が3名で、漁業組合を通じてカキ養殖のいかだ作りのボランティアとして現地入りされるということで、
広田漁港のいかだ作りに合流することになりました。
乾先生は、私が震災のボランティアをするきっかになった方です。
今から十数年前、乾先生が埼玉武専に本部派遣教師としてお越しになられた時に、阪神大震災復興のボランティア活動をされたお話をされました。
特に記憶に残っているのは、仮設住宅にお一人でお住まいのお年寄りを気遣い、お世話をしているというお話でした。
また、乾先生は中学校教員として生徒に少林寺拳法を授業で教えておられ、その様子のビデオを後ほど送っていただき、お借りしたことがありました。
乾先生が陸前高田には何度も来られていると知り、私はいつかお会いできるだろうと心待ちにしていました。
カキ養殖のいかだは、大変大きなもので(おおよそ 7m×5m位の長方形)、直径15㎝強の檜(下部)・杉(上部)の丸太を格子状につなぎ、
ブルーシートで包まれた直径80㎝位の浮き8個で支えているというものでした。
丸太つなぎは、丸太にドリルで穴を開け、その穴に下からボルトをハンマーで延々と叩き、止めるというものでした。
これは修行のような、大変な作業でした。
しかし、漁師さんとの会話や親切丁寧なご指導により、少しずつこつをつかみ、楽しくお手伝いすることができました。
昼食は漁師さんの現在のお住まいである、仮設のプレハブ住宅でごちそうになりました。
60代半ば位の漁師さんは、食事の間、津波の話をしてくれました。
目の前で父親が逃げ遅れて、津波に巻き込まれていく様子をみたといいます。
どんなお気持ちだったでしょうか。
私は黙って聞いていることしかできませんでした。
乾先生とごいっしょに来られた元神戸中道道院の中野先生からは、阪神大震災の体験もお聞きし、涙がこぼれました。
話は変わり、私は今年最後の活動として、ある方にお会いしなければいけないと考えておりました。
それは6月に、2回目のボランティアで訪れた、お年寄りご夫婦に会いに行くことです。
小友町矢ノ浦にあるこのお宅は、海から20メートル位はあるだろと思われる高台にあります。
訪れた時、築250年といわれるご自宅は、窓が外れ、床は剥がされ、壁には床から260センチの高さに津波の後が残っていました。
一関の保母さん、宮崎・福岡の警視庁OB、私と4人で片づけのお手伝いをさせていただきました。
しかし、お年寄りのご夫婦は片づけることよりも、人が来てくれることが嬉しいご様子で、お食事をふるまってくれたのです。
大変申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
お宅を片づけることはほどほどで、ほとんどがお話するだけになってしまいました。
しかし、その時に気づいたのです。
こういった心のケアというのでしょうか、お話をする目的だけのボランティアもあるのだ!と実感したのです。
ご夫婦にお元気になってもらうために、九州の方々は宮崎名物:ひょっとこおどりを披露したり、私は床がぬけたお部屋で、天地拳を披露したりしました。
こちらのお宅には同じメンバーで、ボランティアに3回訪れました。
現在は家の中はきれいに片づいて、ボランティア団体が入ることはなくなりましたが、
初めていっしょに訪れた4人は、ボランティア活動に訪れる度に、じっちゃんとばっちゃんの顔を見に訪れるようになりました。
10月には、ばっちゃんからお手紙をもらい、私の一生の宝物になりました。
夜には、本部 藤井先生、埼玉早瀬道院 林先生ご家族3名・大場さん・若林さんが拠点入りしました。
【11/26】
早朝 SONY支部より 3名(根本さん、東野さん、吉村さん)、三軒茶屋道院 日向さんが拠点入りしました。
根本さんとは、6月以来の久しぶりの再会です。
今回は少林寺チームとしては12名(入間:畠山先生、本部:藤井先生、早瀬:林先生はじめ 5名、SONY支部:3名、三軒茶屋:1名、蕨スポ少:1名)で、一昨日行った現場で、枯木の伐採に向かいました。
ボランティアセンターで出会った 3名と合流し、合計 15名体制でのボランティア活動となりました。
3名は林業のプロということで、前半は少林寺チームは大所帯ながらサポートするという段取りで活動に取り組みました。
プロの方々は時間をかけ、慎重を心がけた作業を展開します。
少林寺は、チーム内の意思の疎通を生かした、スピードのある作業を進めていくことを望みました。
しかし、枯木の伐採は大変危険を伴う作業です。
お互いの意思の確認ができないままだと、作業に支障をきたします。
後半は、お互いに声を掛け合って、協力して行うことができたように思います。
林先生、藤井先生の伐採の様子は、非常に豪快そのものでした。
畠山先生は、的確で見ていて安心できました。
根本さんのチェンソー裁きは、マニュアルを見ているようでスムーズに我々を誘導してくれました。
とても清々しい気持ちで、一人のけが人もなく活動できたことに感謝いたします。
いつも活動を通して感じることですが、少林寺は道場の中だけの活動ではないのですね。
経験のない者でも、お互いに協力し合って、荒削りながらひとつの成果を生み出す。
拠点に来られる方の少林寺拳法をされている姿を見たことがありません。
しかし、一人一人の行動をみて、少林寺の目指す真の姿を見たと思い、本当に来てよかったと毎回感激させていただいています。
夕方には、JR四国より6名(大田先生、泉さん、浅野さん、梶間さん、森下さん、岩田さん)がお越しになられました。
花巻南道院 立花さんも拠点入りされました。
また、夏に大阪から来られた炊き出しでチームで、一緒に活動された陸前高田の女子柔道チャンピオンの菅野綾子さん、千葉からボランティアに来られた飯野さんも拠点に駆けつけ
多くの方と親睦がはかられました。
JR四国の大田先生からは、『第10回JRグループ少林寺拳法合同練習交流会』としての行事を、被災地陸前高田でのボランティア活動とすることで急きょ拠点入りしたと伺いました。
また、拠点で皆が一同に集まって、少林寺拳法30周年記念ビデオを鑑賞し『いまこそ、何を行動すべきなのか、開祖ならいかに行動とられるだろうか』と互いに話し合いました。
開祖 宗道臣先生 生誕100年にあたる年に、東日本大震災があったということは、少林寺拳法の拳士として金剛禅運動を展開するうえで、深い意味があるのだと感じました。
我々少林寺拳法の拳士が安心して復興支援活動ができるのも、埼玉入間道院 畠山先生が拠点を立ち上げ、お兄さんご夫婦が拠点を守り、温かく迎えてくれることを忘れてはなりません。
一時拠点閉鎖となりますが、これまで大変お世話になり、ありがとうございました。
私は今後も、少林寺拳法復興支援活動として、陸前高田に訪れたいと思います。
被災地での活動を通していろいろな方々と出会い、私の人生そのものの考え方が変わった気がいたします。
復興支援活動が細くとも長く、人々のために役立つ活動となるよう、私は活動を続けていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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